睡眠は身体の休息はもちろん、身体をコントロールする大脳を休息させるための大切な時間で、ストレスを解消に欠かせないものであり、
睡眠は脳を深く眠らせて、精神的な疲労を回復する大切な営みです。
また、昔から「寝る子は育つ」といいますが、脳が深い眠りに入ると成長ホルモンが分泌されることもわかっています。この成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促して、皮膚や筋肉、骨などを
成長させたり、日中の活動で傷ついた筋肉や内臓などを効率よく修復する働きがあります。
睡眠が不足すると大脳が疲れて、働きが低下して生体リズムが乱れて、頭痛や集中力がない・体がだるい等、
身体的な症状が出て心にも影響があります。
人間にとって大切なのは脳の睡眠です。体のための睡眠は全体の5分の1だけで、そのほとんどが脳のための睡眠になります。疲れている脳が十分に、休めていないと、心だけでなく身体も十分「休めたなー!」という
満足感が得られません。
睡眠は、心と身体の健康を保つために必要です。悪夢は過度のストレス状態のときにみる傾向が
強いようです。
眠れないとストレスを感じるよりも「眠れるだけ眠れば十分」という考えをもち、就寝前には音楽を聞いたり、
読書をしたりして心身をリラックスさせてみましょう。
どうしても眠れない時には、いったん床を出て、 自分なりのリラックス法を実践し、眠気を覚えてから再度床に就くのがいいでしょう。
睡眠には浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があります。 眠りにつくと、まずノンレム睡眠があらわれ、次に浅い眠りのレム睡眠へと移行します。
私たちの眠りは、 これら性質の異なる2種類の睡眠で構成されており、約90分周期で一晩に4〜5回、一定のリズムで 繰り返されています。
ノンレム睡眠は脳が眠っている状態と考えられています。
昼間の大脳の膨大な情報処理への集中力は、夜の睡眠で支えられています。また脳は筋肉に比べ、約10倍という大変な量のエネルギーを使います。そのエネルギーを節約するために、睡眠で脳を休ませるという説もあります。居眠りはほとんどがノンレム睡眠で、空いた時間にほんの少し居眠りするだけでも脳の休息になります。
入眠直後にあらわれる ・夢はほとんどみない ・身体を支える筋肉は働いている
・眠りが深くなるにしたがって、呼吸回数・脈拍が少なくなる等、ノンレム睡眠に対し、レム睡眠は、身体の休息と言われますが、レム睡眠も実は脳に大きな役割が
あると言われています。
昼間見たり・聞いたり・触れた事を、一時的な記憶ではなく、長期的な記憶に固定し、また、昼間の学習が多ければ、レム睡眠も増える事が確認されています。
この世に登場したばかりで、覚える事が いっぱいの新生児は睡眠の約半分がレム睡眠です。身体は深く眠っているのに、脳が起きているような状態の浅い眠りで、目覚めの準備状態でもあり、この時に目覚めると気分がすっきりします。
ヒトの脳の中には、生体リズムをコントロールする体内時計がありますが、日光は、眼を通じて体内時計を刺激し、
一日の行動に適したリズムを作ります。
快適な睡眠のために目が覚めたら適度な日光を浴び、朝食を取り、心と体を目覚めさせ、元気に一日を始め、日常生活の中で体を動かすように心がけたり、定期的な運動習慣を
もつことが重要です。
快適な睡眠を確保するための、睡眠時間や睡眠パターン等は、人それぞれで個人差があります。無理に長時間眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、かえって寝付きを悪くして、睡眠の質を低下させることがあります。 軽い読書、音楽、香り、ストレッチなど、自分にあった方法で、心身ともにリラックスするよう心がけて、
眠たくなってから寝床につくようにしましょう。
特に入浴については、就寝の3時間ほど前に、ぬるめのお湯に 入浴すると、寝つきがよく、十分な睡眠がとれます。
ぐっすり眠れる寝室の条件
■ 夜間は、ちょっとした物音が寝つけない原因になり得ます。外音からの防音対策二重サッシや雨戸、
厚手のカーテンなどを利用し、 家庭内では家族お互いの協力が必要でしょう。
■ 一般に、寝室の明るさは、おぼろげにものの形がみえる程度の20〜30ルクスがよいとされています。
自分にとって一番眠りやすいと思える明るさは人によって、豆電球をつけないと眠れない、真っ暗にしないと
眠れないといった好みがあります。眠りに入るときは、部屋全体の照明は消して、明るさのコントロールできる
スタンドやフットライトなどで照明し、ゆっくりと眠りに入る環境を調えます。
■ 理想的な室温は夏が25℃、冬は15℃、湿度は年間を通して50%といわれています。エアコンの温度設定は
冷房なら25〜28℃、暖房なら18〜22℃を目安にします。冬場の暖房のつけっぱなしは空気が乾燥する原因と
なりますので保湿器などで湿度を調整します。
■ 寝室は刺激的な色彩は避け、落ちついた眠りやすい雰囲気を作りましょう。部屋全体のカラーをベージュや ブラウンといった色合いでまとめると、落ちついた雰囲気になります。眠るための場所なので、昼間のストレスを彷彿させるような仕事の書類などは持ち込まないようにしてください。
睡眠のためにはバランスのとれた食生活が基本です。良質のタンパク質を中心に、植物性脂肪・糖類を適度に摂り、
ビタミン類とミネラルも必ず加えましょう。 とくに、ビタミンB郡を多く含む牛乳や肉類、卵黄、魚介類、レバーを摂ると
、 起きているときの代謝レベルを高め、それが睡眠中の代謝レベルを高めることにつながり、熟睡が期待できます。
また、牛乳や小魚類、海草類、アーモンドなどに多く含まれるカルシウムが不足すると、神経伝達に支障をきたし、
イライラや不眠の原因になります。
質のよい睡眠(熟睡できて、目覚めたときにスッキリとした満足感が得られる眠り)は、1日の活動で疲れた
脳細胞を回復させるとともに、肉体的な疲労の回復や健康増進、ストレス解消に大きな効果があります。
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